チャート
河原でいちばん見つけやすい「かたい石」

大昔の海の生き物の殻が、海の底に積もってできた石。とてもかたく、日本の河原ではかなりよく見つかります。赤・緑・灰色・黒と色がいろいろで、表面がつるっとしているのが目印です。

石の種類堆積岩(積もってできた石)
主な成分二酸化ケイ素(水晶・石英と同じ成分)
かたさモース硬度 約7。ガラスや鉄の釘より硬い
色赤茶・緑・灰色・黒・白など。1つの石の中で色が混ざることもある
できた時代日本で拾えるものの多くは、およそ2億年前後に海の底で積もったもの
見つかる場所河原(とくに関東・中部・近畿・四国の山から流れる川)
別の呼び方昔は「火打ち石」として使われた

チャートの見分け方

河原でチャートらしい石を見つけたら、次の5つを確かめてみましょう。3つ以上当てはまれば、チャートの可能性が高いです。

いちばん確かめやすいのは釘のテストです。目立たない場所を、釘の先で軽くこすってみてください。傷がつかなければ、チャートか石英のなかま。すっと傷がつくなら、別の石です。

似ている石との違い

石見た目釘でこすると
チャート色つき・つるっと・不透明。光沢はにぶい傷がつかない
石英白や半透明。ガラスのようにピカッと光る傷がつかない
砂岩砂の粒が見える。ざらざらしているこすると粒がこぼれることがある
石灰岩白〜灰色。手ざわりがすべすべ傷がつく(お酢をかけると小さな泡が出ることも)

どうやってできたの?

チャートのもとは、放散虫(ほうさんちゅう)という、目に見えないほど小さな海の生き物です。放散虫はガラスと同じ成分でできた、トゲトゲの殻を持っています。

放散虫が死ぬと、殻は陸から遠く離れた深い海の底に、雪のように少しずつ積もっていきます。1cm積もるのに、数千年かかるといわれるほどのゆっくりさです。それが長い時間をかけて押し固められ、かたい石になりました。

海の底でできた石が、なぜ日本の山や川にあるのでしょう。それは、海の底の地面(プレート)が少しずつ動いて、日本列島の下にもぐりこむときに、表面の石がはぎとられて陸にくっついたからです。何億年もかけて海の底から運ばれてきた石が、今は川に流されて、河原に転がっているのです。

火打ち石になる理由

チャートは昔、日本で火打ち石として使われていました。かたい石を、鋼でできた「火打ち金」に打ちつけると、火花が出ます。

じつは、あの火花は石ではなく、鉄のほうから出ています。とてもかたいチャートの角が、鉄をほんの少し削り取り、削られた小さな鉄の粒が、こすれた熱で燃えて光るのです。鉄より硬い石でないと、火打ち石にはなりません。

⚠️ 火打ちをためすときは
  • 割れたかけらはガラスのように鋭く、目に飛ぶこともあります。必ず大人と一緒に、保護メガネをつけて。
  • 石どうしを強く打ちつけるのはやめましょう。思わぬ方向に割れて危険です。

どこで拾える?

チャートは、海の底から運ばれてきた地層(付加体)がある地域の川で、よく見つかります。日本では関東から中部・近畿・四国にかけて広く分布していて、たとえば次のような川の河原で見つけやすいです。

関東荒川(埼玉)、多摩川(東京・神奈川)
中部木曽川・長良川(岐阜・愛知)
近畿鴨川・桂川(京都)

同じ県の中でも、上流の山がどんな地質かによって見つかりやすさは変わります。河原で赤っぽい、つるっとした石が多く混ざっていたら、それがチャートかもしれません。

⚠️ 河原で石を拾うときの注意
  • 雨のあとや、上流のダムのサイレンが鳴ったときは川に近づかない。水は急に増えます。
  • 子どもだけで川に入らない。浅く見えても流れが速い場所があります。
  • 国立公園や天然記念物の場所などでは、石を持ち帰ってはいけないことがあります。看板や地域のルールを確かめましょう。
  • 持ち帰るのは、手のひらに乗るくらいの石を少しだけに。

自由研究にするなら

チャートは「見分けるテスト」がわかりやすいので、自由研究のテーマにぴったりです。たとえば、河原で拾った石を10個集めて、1つずつ次のことを表にまとめてみましょう。

「この川には、なぜチャートが多いんだろう?」と上流の山を地図で調べると、まとめがぐっと深くなります。

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